FSC認証とその背景にあるもの
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まちなかで目にする木材に関する分からない言葉を紹介するシリーズ、前回は「無垢材」について紹介しましたが、今回はこちら。
某大手ハンバーガーショップの紙コップにも書いてあるこちらのマークはどういった意味なのでしょうか。
この記事では、「FSC認証」について簡単にご説明したいと思います。
FSC認証とは?
FSCとはForest Stewardship Councilの略で、日本語だと「森林管理協議会」と言います。
FSCの森林認証は、世界の全ての森林を対象に、環境保全的にも、社会的・経済的にも持続するような適切な森林管理を推進するために、認証された森林から出た木材・木材製品にロゴマークをつけて、消費者がこれを優先的に購入することで、「適切な森林管理」を守ろうというものです。
とても当たり前なことが書いてあるようですが、
この認証ができたということは、つまり、こういった森林管理がされていないということです。
FSCの認証を生み出した違法伐採
FSCの認証制度を生み出したきっかけには、1980年代に熱帯雨林の森林破壊や違法伐採が大きな問題になったことがあります。ヨーロッパを中心にこれらの森林の木材を原料に使った合板の不買運動などが広がりました。
そうした運動などによって、1990年代に認証制度が作られたのです。
しかし、それで違法伐採がなくなったわけではありません。
こちらの写真は2014年の10月にAFPBB Newsで報道されたもの。
ブラジル、アマゾンの熱帯雨林が違法伐採された後の写真です。
「違法伐採された木材は、夜間にトラックで製材所へ運搬される。そこで加工された材木は、あたかも合法的なもののようにフランスやベルギー、スウェーデン、オランダに輸出されているという。」
と伝えられています。
さらに、違法伐採というと山が切り開かれ、自然が壊されているというイメージを持たれる方も多いと思います。でも問題は単に自然破壊ということだけではないのです。
違法伐採が生活を苦しめる
世界的にみれば違法伐採の問題は環境問題とともに、人々の暮らしを苦しめていることがあります。
特に発展途上国では、不法木材を扱う国際市場があることで、違法伐採が儲かるビジネスとなってしまう。
そんな山では植林されることもなく、森林は破壊され、薪や木の実など森の恵みを利用して生活をしている人々には生死に関わる問題になっているのです。
こうしたことは木材大量輸入国である日本にとっても決して人事ではないのです。
こうした背景から日本でもFSC認証が広まってきました。
どこの国でどのような影響をその国の人々に与えているか分からないような木材より、自分の身近な山で育った木を使った方が私は気持ちよく感じます。
皆さんはどのように感じられますか。
Via:「日本の林業を立て直す」速水亨
飯南・縁の森 森脇