地域らしさを残すために考え抜く -島根県中山間地域研究センター研究員・東良太-
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地域らしさを残すために日々研究を行なっている方が飯南町にはいらっしゃいます。
島根県中山間地域研究センターは全国の中山間地域を残していくために、地域の調査研究や農業、畜産、森林・林業の研究を行なっている研究所です。
東さんは研究センターにきて、7年になるそうですが、ここまで驚くほど多くの経験をされてきました。
幼少期に経験した阪神淡路大震災
東さん兵庫県神戸市出身で、小学校2年生の時に、阪神淡路大震災を経験されています。
一瞬にして地元の風景が壊れてしまった事、地元の仲の良かった友達が仮設住宅で生活していた事など、これまで地元にあったはずのものや人がなくなってしまうという経験を幼い頃に目にしています。
また、大学時代に大分で生活を送っている中でも、きれいだった棚田がどんどんなくなっていってしまった。
そんな経験から、なんとか地域らしさを残していけないかと考えるようになったそうです。
地域のことを必死で考えた大学時代
学部時代は大分にある立命館大学アジア太平洋大学にて、消えゆく棚田を残すため、農地の研究をされました。
それからさらに勉強がしたいと、九州大学を受験したそうですが、残念ながら不合格。
でも、諦めきれずカメラマンのアシスタントなどのバイトをしながら、研究生という形で森林政策の研究室にもぐりこみ、2年間、勉強をしていました。
それからバイトをしながら必死に勉強し、見事、九州大学の環境デザインを学ぶ研究室で2年間、福岡県の伝統的な産業である八女茶の研究をしていました。
それでも、まだまだ地域のことについて学びたいと、博士課程まで進むうことを決め、熊本大学の社会学の研究室に所属することになったのです。
東さんは「まとまりなく広く浅く研究してきたんだよね」と笑っておっしゃっていましたが、まとまりがないのではなく、地域のことを必死に考え抜いた結果、様々なことを学ばないといけないと感じておられたのではないかと思いました。
地域らしさを残すために人口をどう捉えるか
大学卒業後は、アミタ株式会社で地域でのビジネス現場にいた後、もっと研究がしたいと中山間地域研究センターへ転職。
今は、地域らしさを残すために人口をどう捉えるかという研究をされています。
実際にその地域に住んでいなくても、隣町に住んでいる人、他の町に住んでいても、ずっと地元に対して想いを持っている人など、これまでに地域を守っていくための人口としてカウントされていなかった人も、大切な存在だと捉え直して、そういった人たちとどう地域を残していくか方法を探っています。
飯南町でも、こういった活動を知ってもらうイベント「関係人口ってなに?」や地域の方達との話し合い。さらに、飯南町のブランドメッセージを考えることで、地域らしさを表現したりするような取り組みに関わっておられます。
東さんの言葉の中でとても印象的だったのが、
「研究やアドバイスだけをする人になりたくない。」
だから、地域の色々な人に会って、一緒に汗を流す。そして実際に地域で取り組みを行なっていく。そこまで一緒に走っていきたいと。
そして、ちょっとしたことでも相談をしてもらえる、そして一緒に取り組んだイベントなどが終わった後にみなさんの笑顔を見た瞬間が一番うれしいとおっしゃっていました。
縁の森も東さんと一緒に、飯南らしさを残していくための活動を行なっていきます。
飯南・縁の森 森脇